子どもの歯磨き・仕上げ磨きの指導のコツ(3歳~小学生)

子どもの歯磨き・仕上げ磨きの指導のコツ(3歳~小学生)

子どもが3歳を過ぎると次第に自分で歯磨きをするようになりますが、う蝕を予防するためにはまだまだ保護者の方による仕上げ磨きが必須です。

今日は、「子どもの歯磨き・仕上げ磨きの指導のコツ(3歳~小学生編)」についてお伝えします。

 

仕上げ磨きを行う際のポイント

2歳を過ぎると乳歯が生えそろってくるうえ、自分で歯磨きも始めます。しかし、まだまだ磨き残しが多いため、保護者の方による仕上げ磨きは欠かせません。

子どもによっては舌が邪魔をして磨きにくいことがありますが、そのような場合は「アー」と声を出してもらうと舌が下がるので磨きやすくなります。

奥歯が生えてからは奥歯に汚れが溜まりやすいので、手前にかき出すように磨くことを指導します。この時、上の奥歯の頬側は口を大きく開けると歯ブラシが届かないので、口を小さく開けて頬が伸びるようにすると磨きやすくなります。

 

歯磨きを嫌がる子どもの保護者に伝えたい3つのポイント

仕上げ磨きを含め歯磨きを嫌がる子どもの話をよく聞きます。そのような場合には、下記の方法を参考に保護者の方に話をしてみると良いと思います。

 

1.子どもに歯ブラシなどのグッズを選ばせる

歯磨きを“好き”に変える方法の一つ、それは「子どもにグッズを選ばせること」です。

自分で磨くことに慣れてもらうという意味でキャラクター歯ブラシは有効な手です。その際に「どの歯ブラシがいい?」と子ども自身に選ばせることで子どもの歯磨きへの意識が高まります。

歯ブラシに限らず、歯磨剤やコップ・タオルなどの歯磨きに関連するグッズを選ばせることで自分で磨く意識がより高まります。

 

2.仕上げ磨きの基本を見直す

仕上げ磨きをさせてくれない理由は「体勢」と「歯ブラシ」の二つに原因があると思われます。

寝かせ磨きが基本ですが、座らせて磨く方法と、二人で仕上げ磨きを行う方法もあります。寝かせ磨きを嫌がる場合、磨き方の体勢を変えてみることをおすすめします。

また、歯ブラシが大きかったり、硬すぎたりすることも嫌がる原因です。口に合ったサイズで歯肉を傷つけないためにも、毛先の柔らかい歯ブラシに替えてみるのも良いでしょう。

 

3.歯磨きの大切さを伝える

理解力が高くなってくる3歳頃からは、「虫歯にならないために歯磨きが必要」ということが理解できるようになってきます。

言葉だけで指導するのではなく、歯磨きを啓発している絵本やアニメを活用して、子ども自身の理解度を高めることが必要です。

 

子どもが自分磨きを始める際には手鏡を利用させる

小さな子どもの場合、洗面台の鏡では歯ブラシや自分の歯が見えにくいことがあります。子ども自身が歯磨きを始める際には手鏡を利用すると、子どもが自分自身の歯を見ることができるメリットを保護者の方に伝えます。

また、余裕があれば歯磨き後に染め出し液を使って、磨き残しの部分を一緒にチェックしてあげるとさらに良いでしょう。

 

永久歯が生えてくる6歳からのケアのコツ

乳歯と永久歯が混在し始める6歳からは、歯列や歯の高さに凹凸があり、歯ブラシが届きにくいためプラークが溜まりやすく、う蝕のリスクが高まることを保護者の方にも理解してもらいます。

特に生えた直後の永久歯表面は柔らかいうえに粗く、う蝕になりやすいので注意が必要です。

また、乳歯の後ろに生えてくる第一大臼歯は、生えたことに気づきにくい歯です。まっすぐに歯ブラシを入れていてはブラシが当たらないので、斜めに歯ブラシを入れて横から磨くように指導しましょう。

 

6歳からのう蝕予防にはフロスも積極的に活用する!

ご存じのように、子どもの場合は隣接面う蝕が高い傾向にあります。そのため、隣接面う蝕を防ぐためには歯間部のプラークをいかに除去するかが一つのカギとなります。

歯ブラシだけでは歯間のプラークを60%しか除去できませんが、デンタルフロスを併用すれば85%のプラークが除去できたというデータがあります。

この事実を保護者の方にもイラストや図などを活用してしっかり理解していただくことが大切です。子どもの頃からデンタルフロスを併用することで隣接面う蝕をより効果的に防ぐことができます。

 

まとめ

3歳以降では子ども自身が自分で歯磨きを始めますが、必ず保護者の方が仕上げ磨きをすることがう蝕予防には欠かせません。

仕上げ磨きを嫌がる子どもにもしっかりアドバイスができるよう、今日の内容を知識として取り入れておくと即実践で活用できると思います。

歯科衛生士さんの活躍で保護者の方の理解が深まり、結果として子どものう蝕がさらに減っていくと嬉しいですね!

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