発見!輝く歯科衛生士さん vol.4 ~20年以上の予防歯科の歴史がある「あらや歯科医院」~

発見!輝く歯科衛生士さん vol.4 ~20年以上の予防歯科の歴史がある「あらや歯科医院」~

『笑顔と明るいあいさつで、患者さんをお迎えします!』

横浜市港北区の『あらや歯科医院』のホームページにはそのように書かれています。

予防歯科に取り組み始めて20年以上の『あらや歯科医院』さん。

今回は歯科衛生士の経験豊富な冨岡さん、三上さんのお二人にお話を伺いました。

 

『予防を始めるきっかけは、父の一言でした』(冨岡ゆかりさん)

――歯科衛生士歴と、簡単に現在の仕事内容を教えていただけますか?

学校を卒業以来、ずっとブランクなく現役です。基本的には何でもやるのですが、やはり予防がメインになってきます。もともと私は予防を希望して歯科衛生士をやっています。

――予防をやりたいというのは過去に何かきっかけがあったのですか?

父が中学校の校医を熱心にやっていた歯科医師だったんです。

私が歯科衛生士になった時に、

『先生のアシスタントをしているだけじゃもったいないよ。これからは口の中をきれいにした上で、健康な口でずっといられるサポートをしてあげる人になるといいんじゃないか?』

と父から言われたのがきっかけです。このアドバイスのおかげで、就職する時も予防に力を入れている歯科医院をいろいろ探して就職しました。

う蝕予防・小児歯科に携わり、さらに心身障害者センターで長期にわたる研修を受講し、今日に至ります。

 

予約は5ヶ月待ち!わざわざ新幹線や飛行機に乗って定期検診に来てくださる患者さんも!

――歯科衛生士をしていて良かったと思うことは何ですか?

最近、ようやく自分の仕事にプライドとやりがいを持っていると言えるようになりました。

正直に言うと、以前は来ていただくことが当たり前だと思っていたのですが、今では予防のために患者さんが1日の生活を医院に来るために合わせてくれることに感謝しています。

家事を早めに終わらせてから来るとか、仕事を早退して来る方もいらっしゃいます。中には転勤先から新幹線や飛行機に乗ってまで定期検診に来てくださる方もいらっしゃるんです。

「なんでここに来てくださるんだろう?」と思い患者さんに直接伺ったところ、『ここでお口のケアをしてもらうと癒やされるんです』と言われたんです。その時に自分の果たす役割の価値を感じました。

――そうなると、長く通っている患者さんも多いのでしょうか?

そうですね。つい先ほども、妊産婦検診のタイミングから通ってくださっている患者さんがいらしていました。出産をしてからお子さまとともに定期検診に通っていらっしゃいます。今度引っ越しされるそうですが、定期検診には電車を乗り継いで来てくださるそうです。

お母さまが最初に来院され、その後にお子さまと一緒にという方も多いですね。通い続けてくださる方が多いので、赤ちゃんだった方が小学生に、小学生だった方が中学生に、中学生だった方が高校生、大学生にと、親みたいに成長ぶりを見届けています。

――それだけ長くお付き合いが続くということなんですね。

もう家族ぐるみのお付き合いになっています。土曜日になると、家族連れで2時間の予約の枠を確保される方もいらっしゃるんですよ。歯医者に行くことがイベントのようになっているみたいです。

それだけ『あらや歯科医院』の入り口の敷居が低いということなんだと思います。

検診が終わった後も、振り返ってまで挨拶してくださるんですよ。普通は「ありがとうございました」「お大事に」で帰ってしまいますが、医院のドアから出る時にも振り返って顔を探して笑顔で「ありがとうございました」を再度言っていただけるんです。患者さんには恵まれていると思います。

――予約もかなり埋まっている状態ですか?

今、おかげさまで本当に予約がいっぱいなんです。今だと最短でも5ヶ月先の予約です。特に土曜日は予約が混み合います。

――えっ!?5ヶ月待ちですか!?

そうなんです。患者さんもどんどん先に予約をとっていかれます。

担当している患者さんが多くいらっしゃいますので、リフレッシュした状態にしておくことが大切です。オフの日は完全に気持ちを切り替え、テニスとフラダンスでリセットします。おかげで月曜日や長期休み明けは元気になっています。

オンオフの切り替えってすごく大事なことだと思います。

 

コミュニケーションのコツは「傾聴」

――患者さんとのコミュニケーションで大切なポイントは何でしょうか?

傾聴と一言の投げかけでしょうか。

患者さんに言葉を投げかける時、自分の頭の中でも知識や経験を総動員しますよね。それで、患者さんから返ってきた言葉や質問に答える。一方的にこちらから話をしても患者さんはつまらないですよね。

患者さんから話をしてくれる時がチャンスだと思うんです。予防はすぐには結果が出ないので、1回目はこう、2回目はこう、という感じで少しずつお話しすることもあります。

長くメインテナンスに来ていただいていると、私は何も話さずとも患者さんが「今日はあれでね、これでね」と話をしてくれるようになるんです。

――若手の歯科衛生士さんはコミュニケーションに悩んでいる方も多いと思います。 若い方へのアドバイスは何かありますか?

歯科医院って閉鎖的な社会じゃないですか。それでは得られるものが限られてくると思うんです。

最近ではチーム医療、多職種連携というキーワードがあります。また、いろいろな職業の人たち、外のコミュニティから得られることの方が絶対的に多いです。アンテナをいっぱい張って引き出しを多くすると良いと思います。吸収してきたことを発信する仕事です。責任は大きいですね。

あとは、わかりやすさですね。

歯周病の話は、患者さんにはむずかしい話になりますよね。自分自身がきちんと理解していないと、患者さんにかみ砕いてのお話はできません。一方的に話をするのは楽ですが、患者さんが何を聞きたがっているのか、何を求めているのかを考えて話すことが大事だと思います。

 

患者さん自身に気づいていただくことがセルフケア継続の第一歩です

――予防歯科ではセルフケアが大事ですが、継続してもらうポイントはなんでしょうか?

「ご本人が必要だと認識した時点から」というのが大切なポイントだと思います。

こちらからアプローチを一生懸命していても、3ヶ月後に検診にいらした際、あまり変化のない方もいらっしゃいます。いつも担当していると日頃のお手入れはすぐにわかります。それを患者さん自身に気づいていただくことが大切です。

「今日来る時に急いで磨いてきましたか?」と聞いて、「はっ、わかりました??」という流れから始まるんです。

――自覚してもらうために効果的な投げかけは他にありますか?

実際に鏡を見てもらいながらプラークを取って、「これがバイ菌ですよ。食事をした時にこれが一緒に喉を通るんです。どう思われますか?」と聞いたりしています。これは患者さんとの信頼関係ができている場合ですが、そうすると患者さん自身も気づいてくれて、少しずつ変わってくださいます。

 

最後まで口から食べていけることが大切

――お二人とも資格をたくさんお持ちですが、これから取ろうと思っている資格はありますか?

二人で日本歯周病学会・日本口腔インプラント学会に入会し、認定歯科衛生士を取得しました。それは、とてもとても大変で苦労しました(苦笑)。

患者さんにアプローチする上でとても重要な資格で、エビデンスに基づいた指導に繋がっています。

あとは食育ですね。「フレイル」って言葉が流行っていますが、患者さんもだんだん高齢の方が増えてきました。それでも自力でいらっしゃる患者さんが多いんです。最後まで自分の口から食べていくことが大切だと思っています。

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