発見!輝く歯科衛生士さん vol.5 ~健康創造型歯科医療で積極的な予防を目指す馬見塚デンタルクリニック~

発見!輝く歯科衛生士さん vol.5 ~健康創造型歯科医療で積極的な予防を目指す馬見塚デンタルクリニック~

健康創造型歯科医療で、患者さんとして訪れた方を二度と患者さんとして来院させないためのサポートをする。

これは東京都中央区にある馬見塚デンタルクリニックさんの理念です。インタビューをしている間、院長を始め、歯科衛生士の皆さんからその気持ちがとてもよく伝わってきました。

今回は、馬見塚デンタルクリニックさんで働く歯科衛生士の一之瀬さん、前原さんのお二人をご紹介します。

 

まずは、現在のお仕事内容について教えていただきました

(左から馬見塚院長、前原さん、一之瀬さん)

――まず、歯科衛生士歴と、簡単に現在の仕事内容を教えていただけますか?

―一之瀬さん

一之瀬くに子です。歯科衛生士歴は17年です。

現在は、来院される患者さんのPMTCはもちろん、訪問診療や感染管理対策・人材の確保を行っています。

人材の確保では、歯科衛生士学校でお話をさせてもらったり、雑誌に記事を掲載させていただいたりしています。また、隣にある聖路加国際病院と看護大学のスタディーグループに参加して、そこで学んだ内容を歯科衛生士学校の先生にお知らせしたりもしています。

―前原さん

前原綾乃です。歯科衛生士歴は7年です。歯科衛生士業務全般と、インプラントチームのリーダー、新人教育を担当しています。

今年はドクターも入れると4名の新人さんが入ってきたので、新人1人に対し1人の教育担当が付いています。

――一之瀬さんの感染管理対策というのは具体的にはどのようなことを担当しているのですか?

―一之瀬さん

当院の特徴の一つとして全身疾患の患者さんが多いことが挙げられます。他にも感染症の患者さんがいらっしゃったり、ご本人は気づいていらっしゃらないけど感染症を患っている可能性もあります。他の患者さんに感染させないために、器具・器材の消毒を始め医院全体の感染管理を行っています。

そのため、第2種滅菌技士という認定を取っています。

 

『歯科衛生士だから知り合えた人と長くお付き合いできるのが嬉しいです』(一之瀬さん)

――一之瀬さんが歯科衛生士になって良かったと思うのはどのような点ですか?

この仕事をしていないと知り合えない方と知り合うことができたり、長くお付き合いできたりすることです。自分の家族や友達・職場の同僚以外の方と長く関わることってあまりないと思います。長く関わっているとその方の人となりを感じます。その上でさらにいろいろなお話をするとその方のことをもっと好きになる。そういうのが一番嬉しいですね。

――一番長い方はどのくらいのお付き合いになるでしょうか?

カルテナンバー1番の患者さんが最も長く、担当してもう15~16年になります。カルテナンバー1番なので、医院との関わりはさらに長く23年ぐらい。もともとは近くの会社にご勤務されていましたが、今は隣の県からわざわざメインテナンスに通ってくださっています。

だいたい30分ぐらいお話とお体のチェックをして変わりがないかの確認をし、残りの30分でケアしています。

 

『私じゃ全然気づかなかったと感謝されたことを思い出すとうるうるします』(前原さん)

――前原さんが歯科衛生士になって良かったと思うのはどのような点ですか?

患者さんを自分で担当するようになってからは4年ぐらいになります。ちょうど担当するようになった頃に、先輩が産休に入ることになり、患者さんを引き継ぐことになりました。先輩が担当していた期間が長かったので、患者さんを引き継ぐ時にはすごくプレッシャーでした。

基本的に3ヶ月に1回メインテナンスに来ていただきますが、プレッシャーを感じていたこともあり、最初の1年ぐらいは私自身も患者さんもお互いによそよそしかったのを覚えています。

ある時、その方がCO(要観察歯)になっていて、黒くなっていたので心配していました。「あなたが虫歯を作ったんでしょう」と言われたらどうしようと思っていました。

事情を説明してレントゲンを撮ったところ大きな問題ではなかったので、それを伝えたところ「私じゃ全然気づかなかった」と感謝の声をいただいて、「良かったな」って安心しました。思い出すだけでもうるうるしてきます。

 

『患者さんが求めている以上のことをひとつでも持ち帰っていただくのが理想です』(一之瀬さん)

――この仕事をしていて難しいなと感じることはありますか?

求められている以上のことをすることです。

メインテナンスの方は「痛い」といった症状がなくても来てくださいます。当院に何か期待して来てくださっているのだと思います。だから、ただクリーニングするだけではなく、その方が求めている以上のことをひとつでも持ち帰っていただくのが理想です。

その方の求めていることは何なのかを考えることと、それができたかどうかの判断が難しいです。関わりが長くても専門的なことになると、どこまでわかってくださっているのかを把握するのが難しいですね。

特にメインテナンスは3ヶ月に1回来院されることが多く、間がかなり空きます。お伝えしたセルフケアができていたのか、理解が足りなくてできていなかったのか、それ以外の理由でできていなかったのかを次に来院された時に評価しなければいけません。

有病者の方だと作業的にできないことがあったり、高齢の方だと理解が難しくてできない場合もあります。ただ、私の説明が難しすぎてできない場合もあります。患者さんの口腔ケア状態は私に掛かっているので責任は重い仕事です。日常のセルフケアが一番大事なので、それをどこまでサポートできるか、情報提供とフォローアップがポイントだと思います。

――患者さんとのコミュニケーションに関して気をつけていることはありますか?

長くお付き合いしていると仲良くなりますが、仲良くなる必要はないと考えています。もちろん仲が良い方がさまざまな情報を得られますが、逆に責任が薄くなることもあるのではないでしょうか。仲良くなるのではなく、患者さんに信頼されることを目指しています。

――どのような時に信頼されていると感じますか?

補綴の再処置が必要になった時に、「補綴についてはもう一度、一之瀬さんと相談したい」と言われたときです。他にも、治療のために頻繁に来院していた方がメインテナンスの日程を覚えていてくれて、「来月はメインテナンスがあるから、治療よりもメインテナンスを優先してください」とおっしゃっていただけたときはとても嬉しかったです。

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