高齢社会で気をつけたい「根面う蝕」の予防法

高齢社会で気をつけたい「根面う蝕」の予防法

高齢になっても歯が残る時代。

高齢者においても歯の喪失が10歯以下であれば食生活に大きな支障を生じないとの研究に基づき、生涯にわたり自分の歯を20歯以上保つことにより健全な咀嚼能力を維持し、健やかで楽しい生活を過ごそうという8020(ハチマル・ニイマル)運動が提唱・推進されています。

厚労省サイトより引用

歯が残るのは良いことですが、気をつけるべきは「根面う蝕」です。

今日は、『超高齢社会で気をつけたい「根面う蝕」の予防法』についてお伝えします。

 

50代の約2人に1人は根面う蝕がある

8020(ハチマル・ニイマル)運動の効果もあり、80歳で歯が20本以上残っている人の割合は平成28年には51%にまでなりました。

しかしその一方で、根面う蝕の割合は増えています。

30代で6人に1人、40代で4人に1人、50代ではなんと約2人に1人が根面う蝕になっているという調査報告があります。

そもそもなぜ、根面う蝕になるのでしょうか?

 

根面う蝕が多い理由は「象牙質」と「エナメル質」の違いにある

根面う蝕ができやすい理由は、根面が軟らかい象牙質であることが原因です。

エナメル質はほぼミネラルでできていますが、象牙質はミネラルが7割、コラーゲン・水が3割です。臨界pHはエナメル質がpH 5.5~5.7なのに対し象牙質はpH 6.0~6.7で、より中性に近い状態でも脱灰が起こるためう蝕リスクが高くなっています。

詳細については別の記事でお伝えしていますので、そちらをご覧になってください。

根面う蝕はなぜ多い!?「象牙質」と「エナメル質」の違いとは?

 

根面う蝕を予防するには?

象牙質のう蝕は、酸による「ミネラルの溶出」と「コラーゲンの分解」の2つの要因によって起こります。

そのため、根面う蝕を予防するには

・露出した象牙質表面のコラーゲンを保護すること
・フッ素をなるべく長く口腔内に留めること

この2つのポイントを押さえることが重要です。

そこで、象牙質表面のコラーゲンをコーティングし、フッ素を長く留める成分が含まれる根面う蝕用の歯磨剤を使うのが効果的です。

さらに、口腔内の浮遊細菌を殺菌するCPC(塩化セチルピリジニウム)が含まれていると歯肉炎や口臭も防ぐことができます。

研磨剤が無配合の製品のほうが象牙質には優しいので、フッ素配合といった側面だけでなく、根面う蝕に効果的な歯磨剤を選択したいですね。

 

まとめ

高齢者でも自分の歯が残っている人が増えた一方、根面う蝕は増加しています。

根面う蝕は歯を取り囲むように進行し、治療がしづらい上に発見が遅れると歯の喪失に繋がります。いつまでも自分の歯を残しておくためには日々のセルフケアで対策を講じることが大切です。

根面う蝕の兆候がある場合は、しっかり予防をするために「根面う蝕向けの歯磨剤」を患者さんに提案してみてはいかがでしょうか。

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