プラークや歯垢などの「歯科用語」、患者さんにはどう説明していますか?

プラークや歯垢などの「歯科用語」、患者さんにはどう説明していますか?

歯科衛生士さんであれば日々何気なく使う「歯垢」「プラーク」「歯石」「ステイン」「バイオフィルム」といった言葉の数々。

歯科衛生士さんの中では当たり前でも、患者さんは意外とその言葉の意味を知りません。

今日は、患者さんの「歯科用語」に対する理解度と、医院ではどのように説明しているのかの実例についてご紹介します。

 

「プラーク」を理解している患者さんはわずか20%!

以前、ライオン社が歯の汚れに関する言葉の理解度と認知度を調査した結果、「言葉を知っている」「言葉の意味をわかっている」では大きく差が出ることがわかりました。

いずれのケースでも「理解している」という割合はとても低く、特にプラークは知っている人が70%程度に対し、理解している人は20%程度とかなり差がある結果となりました。

私も現場にいて感じたのが、「歯垢」は食べかすだと思っている患者さんが多いということです。そのため、私はいつも「歯垢は細菌の塊なんですよ」と説明していました。

歯垢はプラークと同義の言葉ですが、単語が違うだけでこんなに理解度に差が出るなんて驚きです。

 

実際の医院ではこんな説明をしています!

歯科衛生士さんには当たり前の言葉、他の医院では患者さんにどう説明しているのでしょうか?

実際に医院で活躍している歯科衛生士さんに伺いました。

 

歯垢・プラーク

・虫歯や歯周病の原因になるばい菌のかたまり、うがいでは取れない粘つきのあるネバネバ(歯科衛生士歴18年)

・(子ども向けに)ばい菌のうんち(歯科衛生士歴19年)

・食べかすを食べて元気になった細菌のかたまり(歯科衛生士歴7年)

・生きた細菌のかたまり(歯科衛生士歴4年など多数)

 

歯石

・磨き残しや汚れが唾液の一部と混ざって硬い石のような汚れになったもの(歯科衛生士歴13年)

・歯垢(プラーク)が石になったもの(歯科衛生士歴1年など多数)

・死んだ細菌のかたまり(歯科衛生士歴4年)

・歯ブラシでは取れなくなったばい菌のかたまり(歯科衛生士歴18年)

・歯垢が唾液の成分などにより石灰化したもの(歯科衛生士歴5年)

 

ステイン

・湯飲みの内側に付く茶しぶのようなもの(歯科衛生士歴7年など多数)

・表面についた汚れの一つで、歯の表面をざらざらにするので歯垢・歯石が付きやすくなります(歯科衛生士歴4年)

・着色(歯科衛生士歴27年など多数)

・食べ物の色素やタバコのヤニなど(悪いものではない)、(歯科衛生士歴45年)

 

バイオフィルム

・排水溝や三角コーナーのぬめり(歯科衛生士歴13年など複数)

・ばい菌とばい菌が手を繋いでバリアを張った状態(歯科衛生士歴1年)

・歯磨きでは取れない歯の表面に付く細菌の膜(歯科衛生士歴4年)

・細菌達が出すネバネバとした膜(歯科衛生士歴2年)

・口腔内にいる細菌によって作られる膜(歯科衛生士歴20年)

・プラークが集団を作り、バリアを作っている様(歯科衛生士歴45年)

 

まとめ

患者さんに指導をする際には、患者さんが理解できる言葉で説明する必要があります。

患者さんの理解度が深まれば、セルフケアに対するモチベーションもきっと上がります。

実際に医院で歯科衛生士さんが説明に使っているフレーズをご紹介しました。今後の患者さんへの指導の際に参考にしていただけたらと思います。

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