リコール率UP!患者さんが自ら歯磨きをしたくなるTBIのポイント【予防歯科実践セミナー(講師:横山朱夏先生)】
テーマ:「患者さんに伝えたい!歯ブラシの底力」
講師:横山朱夏先生
日時:2018年7月12日(木)13:00~17:00
会場:アーバンネット神田カンファレンス
「院長からリコール率を上げるように言われて困っている」
「頑張って指導しているけれども歯磨き習慣が続かない、途中で来なくなってしまう」
このような声を歯科衛生士さんからよく聞きます。
リコール率を上げるには、患者さんが自身の歯や歯の健康に興味を持つことが大切です。患者さんが歯に興味を持ち、率先して歯磨きを行うようになると、リコール率は自然と上がってきます。
今回は、全国100カ所以上で医院サポートや講義をされている横山朱夏先生から、「患者さんが主体的に歯磨きを行うTBIのポイント」について講義をしていただきました。
患者さんが興味を持って歯磨きに取り組むようになるポイント
“この方法を使えば、どんな患者さんでも完璧に磨ける”というブラッシングの方法はありません。ですから、私たちは患者さん一人ひとりに合った歯ブラシやブラッシングの方法をおすすめしなければなりません。そのためには、まず私たち自身がいろいろな歯ブラシの違いを知る必要があります。
【実習】 TBIのポイントは“歯ブラシの違いを知ること”
歯ブラシが当たる位置を一人ひとりチェック
実習では、さまざまな歯ブラシ9種類を使って、磨き心地を比べました。毛先の太さやヘッドの大きさによって、磨きやすいブラッシングの方法が異なります。さらに、ヘッドやネックの大きさ・長さによって磨きやすい部位、磨きにくい部位が違ってくることもわかります。
参加された皆さまからは、歯ブラシを替える度に「あっ、違う!」という声が聞こえてきました。実際に使ってみると、頭で考えるよりもその違いがよくわかるようです。
【グループディスカッション】 「ブラッシング圧が強い患者さんにはどう指導する?」
経験を交えながらアイデアを出し合いました
ご参加の皆さまからいただいた質問をテーマに、4~5名のグループに分かれてディスカッションを行い、各グループの意見を発表していただきました。
「持ち方を変えたらどうか」
「傷があれば写真を見てもらう」
「利き手と反対の手で使ってもらったらどうか」
など、さまざまな意見が集まりました。
どのグループも積極的に意見交換をされていて、とても盛り上がっていました。日頃は他の医院の方と話し合う場はあまりないので、他の歯科衛生士さんの話を聞ける良い機会になったようです。
「歯ブラシを使ってください」では伝わらない
「TBIの際、『ここが汚れていますね。では、この歯ブラシを使ってください』と説明しても、患者さんは歯磨きを続けるようにはならないんです」と先生はおっしゃいます。
患者さんが率先してブラッシングに取り組み、継続するようになるには、伝え方にポイントがあります。その方法を実践していくと、患者さん自ら「ブラッシングを教えてください」と言われるようになり、TBIがスムーズに進みます。
セミナーでは、横山先生が実際に患者さんに行われている指導法を実演してくださいました。ポイントを交えながらわかりやすく解説してくださったので、患者さんへの伝え方はもちろん、指導における大事な流れもつかむことができました。
【セミナーの内容】
1.リコール率を上げるための口腔衛生指導とは
2.歯ブラシの機能を理解しよう
3.歯ブラシの処方のポイント
4.患者さんからのよくある質問〜患者さんが納得する答え方〜
5.【実習】歯ブラシを使い比べて特徴を理解する
6.【質疑応答】参加者からの質問を解説
7.【グループディスカッション】「ブラッシング圧が強い患者さんに何度も指導しているが戻ってしまう。どう指導する?」など
8.理想的な歯周治療の流れと伝え方
「こんなにたくさんの歯ブラシを実際に使ってみる機会がなかったので、違いがよくわかりました」
今回もご参加いただいた皆さまから多くの感想をいただきましたので、その一部をご紹介いたします。
「TBIのポイントや歯ブラシひとつで結果が全く違うことがよくわかりました。実技の歯ブラシの動かし方は、自分とは違っていたので改善したいと思います」
「磨き方の違いなど、わかっているようでわかっていないと実感しました。新製品も出てくるので、情報を知ることは大事だと思いました」
「たくさんの歯ブラシや器具があり、便利だと思います。その違いを勉強して患者さんに伝えていきたいです」
「実習があり、楽しくてわかりやすかったです。また参加したいです」
「こんなにたくさんの歯ブラシを実際に使ってみる機会がなかったので、違いがわかりました。患者さん一人ひとりの口腔内に合わせて、歯ブラシを選択、当て方を指導していきたいです」
「グループワークで他の歯科衛生士さんと意見交換できたことが貴重な体験になりました」
「まだ一年目なのですが、歯科衛生士の先輩がいない医院に勤務しているので、他の方の意見や方法を聞くことができてとても勉強になりました」
「いろいろな歯ブラシを実際に使わせていただき、勉強になりました。一人ひとり指導していただいた歯ブラシの当て方も参考にしながらTBIに活かしていきます」
「思った以上に勉強になることが多かったです。今後も参加したいです」
今回もたくさんのご好評の声をいただきました。セミナーにご参加いただき、ありがとうございました。
『明日から使える!歯科衛生士さんのための予防歯科実践セミナー』は、今後も定期的に開催していきます。ぜひ、皆さまのご参加をお待ちしております。
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