こんな時どうする?臨床場面でよくあるセルフケア処方の困りごと【予防歯科実践セミナー(講師:片山章子先生)】

こんな時どうする?臨床場面でよくあるセルフケア処方の困りごと【予防歯科実践セミナー(講師:片山章子先生)】

「指導しても続かない」、「忙しいからと実施を拒まれる」など、患者さんにセルフケアを行っていただくためにはどんな指導をしたら良いのかとお悩みの歯科衛生士さんは多いのではないでしょうか?

どんな指導をしてもできていない・続かないときには、患者さん自身のやる気を引き出すきっかけ作りが必要になります。今回は、患者さんのモチベーションを引き出してセルフケアを実践していただく方法について、よくある質問を中心にプレミアムデンタルケア 恵比寿・代官山(東京都渋谷区)の歯科衛生士、片山章子先生が解説してくださいました。

 

テーマ:『こんな時どうする?臨床場面でよくあるセルフケア処方の困りごと』
講師:片山章子先生
日時:2019年7月18日(木)13:00〜16:00
会場:ビジョンセンター田町

 

患者さんのモチベーションを引き出すセルフケア処方のポイント

先生の講義を聞いて熱心にメモを取っていらっしゃいました

患者さんは、適切なセルフケアをせずにいると、口腔内にどんなリスクが起こるのか理解できていません。起こりうるリスクを正しく理解していただくためには、口腔内の状態を客観的に知っていただく必要があります。そのために、初診の指導の際に、口腔内の状態を写真や唾液検査等のデータを使って見ていただくことが大切だと片山先生はおっしゃいます。患者さんは口腔内の状況がわかると、歯科衛生士からリスクや必要となるセルフケアについて説明を受けたときに、熱心に耳を傾けるようになるそうです。患者さんに現状を理解していただくことが、積極的にセルフケアを行っていただく秘訣なのですね。

片山先生は長く勤めていた歯科医院から新しい医院に移られたそうです。別の歯科衛生士さんが担当していた患者さんを受け持つようになって、「患者さんにとって自分は初対面の相手、まだ心の距離がある」と実感したそうです。そんなとき、患者さんとの距離を縮めるために、セルフケア処方が役に立つと改めて確信したと先生はおっしゃいます。今回のテーマである「セルフケア処方」を身につけておくと、患者さんと信頼関係が築きやすくなるのですね。

 

押さえておきたいセルフケア処方のステップと活用のポイント

多くの症例を用いながら、わかりやすくセルフケア処方のポイントを教えていただきました

片山先生が実際の臨床でセルフケア処方をする際、どんなふうに考え決定しているのか、事例を使って解説してくださいました。まず、患者さんの口腔内から、セルフケアすべき箇所をピックアップしていきます。次にそこから優先すべき点を見極めて、どのレベルまで改善すべきか考えます。改善目標を決めたら、それに必要な歯磨剤や歯ブラシなどを医院に置いてある中から選択し、患者さんへの口腔衛生指導や必要な薬効についての説明をしていきます。そして、次回の受診の際には、セルフケアができていたかどうかを必ず確認してフィードバックします。この一連の流れは「ターゲット法」と呼ばれていて、セルフケア処方においてなくてはならないものだと先生はおっしゃいます。今回は、中等度歯周炎の50代男性と歯肉退縮予防が必要な30代女性の症例について、ターゲット法を用いたセルフケア処方の流れや活用の仕方を解説してくださいました。セルフケア処方のポイントは「患者さんが毎日続けられるケアを一緒に選ぶこと」だとおっしゃいます。歯科衛生士さんの理想のケアを押し付けるのではなく、患者さんが続けられるケアを優先するのですね。

 

セルフケア処方でよくいただく質問について解説〜臨床編・製品編

意見交換の時間では、お互いの医院の様子を話したりして盛り上がりました

後半は、セルフケア処方について臨床現場でよく寄せられる質問について、臨床編・製品編と分けて解説してくださいました。

質問の中で特に多いのが、「医院に導入したいセルフケアアイテムを院長先生に認めてもらうにはどうしたらよいか」だそうです。その場合、導入が必要な理由を論理立てて説明することがポイントだと片山先生はおっしゃいます。例えば、「こんな症例にはこの成分が必要だけどうちにはそれがない、この成分が入っているこの製品が必要」などです。院長に納得してもらえるように交渉することが大切です。

また、いくつかの質問について、隣の席同士で意見交換を行いました。他の医院の状況を聞くことで、多くのパターンを知ることができて勉強になりました。

 

セミナーの内容
1.患者さんのやる気を引き出すセルフケア処方とは
2.事例で解説、セルフケア処方のステップや注意点
3.セルフケア処方のポイントは患者さんが毎日続けられるケアを選択すること
4.よくあるセルフケア処方の質問について解説・意見交換(臨床編)
5.よくあるセルフケア処方の質問について解説(製品編)

 

「これからは理由と裏付けを考え、患者さん一人ひとりに合ったものを処方したいです」

ご参加いただいた方々の感想をご紹介いたします。

「もう一度、医院にある製品を成分から見直して、しっかり説明できるようにしようと思いました。そうすることで、もっと自信をもって患者さんに指導できると思いました。」
「今までは何となく歯磨剤を選んでいる部分がありましたが、これからは理由と裏付けを考え患者さん一人ひとりに合ったものを処方したいです。」
「製品の正しい使い方を知って、効率を上げたいです!(患者さんにも楽になってもらえるように)」
「他の医院の方のお話を聞くことができて、とても良かったです。」
「すぐに臨床で役立つ内容でした。モチベーションを上げるお手伝いができるよう、参考にしたいです。」
「明日からでも活用できる内容が多く、ターゲットをまず見つけてセルフケア処方ができたらと思いました。」
「とても参考になりました。セミナーでご提案があった歯ブラシは自分で使用してみて良かったら臨床でも使用してみたいと思いました。」

たくさんのご好評の声をいただきました。セミナーにご参加いただき、ありがとうございました。

 

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