私たちの実践!予防歯科ストーリー vol.10 ~セミナーをきっかけに考え方が180度変わった歯科衛生士さん~
東京都目黒区の東急東横線学芸大学駅。駅前の商店街を抜けた閑静な住宅街の一角に草薙歯科さんがあります。
草薙歯科さんを訪れた際の最初の驚きポイントが入り口です。歯科医院ではガラス張りで中が見えるようになっている入り口がほとんどですが、こちらの入り口は普通のお宅のような扉が設置されています。
今回登場するのは草薙さん、小林さん、赤池さんの3名の歯科衛生士さん。メーカー主催のセミナーを最大限活用して、日々の患者さんとのコミュニケーションに活かしているそうです。
まずは、本日登場する3名の歯科衛生士さんを簡単にご紹介
(写真左から赤池さん、小林さん、草薙さん)
・草薙陽子さん
主には予防業務を行い、スタッフの健康管理である昼食当番も担当しています。毎朝4時に起床し、1時間ほどを歯科の専門誌を読むなどスキルアップの時間としています。目標は現役50年、死ぬまで現役を目指すことです。
・小林真理さん
今は受付・会計を中心にカルテ・レントゲンの整理、院内清掃・消毒、患者さんの案内など、治療がスムーズに行えるように全体のサポートを行っています。受付が歯科衛生士であるという特徴を活かし、歯ブラシや歯磨剤などの説明・相談も受けています。
・赤池まりなさん
小さい頃はお菓子をたくさん食べていて歯科医院に通う機会が多くありました。その際の歯科衛生士さんの対応に憧れて中学校の頃に歯科衛生士になろうと決め、現在に至ります。今は歯科衛生士業務全般を行いながら、専門誌やセミナーで知識や技術の向上に取り組んでいます。
10年以上も歯磨剤を使っていなかったのに、セミナーがきっかけで歯磨剤を使うように
――草薙さん
当院では開院後10年ほどは歯磨剤を使わず、ブラッシングの指導だけを行っていました。
――草薙院長
何十年も前は歯科衛生士さんの指導というのはブラッシングの方法論ばかりでした。ですが、当時からヨーロッパでは、いかにフッ素を口腔内に残すかという指導をしていました。
当院でも時代の流れを感じ、機械的プラークコントロールには限界があるので、う蝕予防のためにはフッ素が必要だと考えるようになりました。
――草薙さん
最初にセミナーに行ったときには、歯磨剤の話に関して少し懐疑的に聞いていました。それが、セミナーに何回も何回も参加しているうちに歯磨剤の使用について肯定的になっていきました。
患者さんには真摯にフッ素配合歯磨剤のことを説明したところ、皆さん一斉に使い始めてくださいました。実際に患者さんに使ってもらったところ手応えがあり、それからというもの歯磨剤にはまってしまいました。
セミナーで聞いた内容は、すぐに患者さんにフィードバック・提案して一緒に実践していくようにしています。
今ではメーカー主催のセミナーへの参加は皆勤賞です。同じ題材のセミナーに2回参加することもあるほどです。
――草薙院長
常識というのは時代の流れによってコロコロ変わります。私たちはセミナーや歯科雑誌で常に患者さんに最新の情報を提供できるように日々勉強を重ねています。
「セミナーに参加することで製品説明に自信がつきました」(小林さん)
――草薙さん
もともと小林さんは10年間歯科衛生士として当院で仕事をしてきたので、当院のことを聞かれたら何でも答えられるぐらい熟知しています。その後は一旦別の仕事に就いていたのですが、前の受付さんが辞めるタイミングでまた声をかけました。小林さんは患者さんからの信頼も厚く、前の受付さんが辞める際には「真理ちゃんに声をかけてみたら?」と患者さんから言われたのがとても印象的です。それからもう3年間以上、受付として活躍してくれています。
――草薙院長
今までは歯科に関して経験のない方を受付として雇っていました。ですが、患者さんとコミュニケーションを取ることを考えると歯科衛生士さんを受付として雇いたいと考えていました。小林さんは当院のことや歯科のことをすべて理解してくれているので、診察室での患者さんとのやりとりを予測したり、患者さんからの質問にその場で答えられたりと、患者さんからの信頼が本当に厚いです。
――草薙さん
診察室で聞いた製品の説明をもう一度聞いて確認したいという患者さんもいます。歯ブラシや歯磨剤の専門的な質問にも的確に回答できるので、受付でのコミュニケーションが全然違ってきます。
――小林さん
受付に歯ブラシや歯磨剤をディスプレイしているので、「この製品はどう違うの?」「どの製品がいいの?」と質問されることが多くあります。そのような場合はセミナーで教わったことをそのまま伝えています。
パンフレットを見ているだけよりも、セミナーで歯ブラシや歯磨剤のことについて聞いたほうが言葉の使い方など参考になる点は多いです。セミナーに参加することで説明をする際に自信を持って言えるようになりました。
言葉だけでは患者さんに伝わりにくいので、メーカーさんからいただけるリーフレットも活用して説明するようにしています。
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