SPTで大切なセルフケア。患者さんがセルフケアを続けてくれるトーク術とは?
これは私の体験談なのですが、「患者さんへの伝え方を変えるだけでここまで結果が変わるの!?」と実感した事例があります。
歯科衛生士になりたての頃の私はとにかく精一杯仕事をこなしていたのですが・・・
「歯周病の症状が安定し、SPTに移行した患者さんがセルフケアをなかなか続けてくれない」という悩みを持っていました。
ですが、「どう説明すれば患者さんがセルフケアを続けたくなるのか?」を考え抜いて試した結果、今までがウソのように患者さんがセルフケアを続けてくれるようになったんです。
今日は、私の体験をもとに『患者さんがセルフケアを続けてくれるトーク術』についてお伝えします。
患者さんがしっかり納得しているかどうかがカギ
私の経験上、マニュアル通りのやり方を伝えるだけでは、患者さん自らが指導内容をしっかり実践してくれるというレベルには達しないことが多いです。
今となっては恥ずかしい話ですが、歯科衛生士になりたての頃は以下のようなケースがたくさんありました。
わかりました(ちゃんと磨いているつもりなんだけどなぁ・・・)
(次回)
まだ歯の裏側の磨き残しが多いので、気をつけてくださいね。
なかなか忙しくて・・・(今日も注意されちゃったなぁ・・・)
実際に上記のような感じだったのですが、次第に患者さんの足は遠のいていきました・・・。
今から考えると、患者さんの立場になりきれていなかったことと、私のSPTに対する理解と説明が足りなかったために、指導への納得度が低かったのかなと思っています。
セルフケアのモチベーションを高めるコツの一つは「褒めること」
SPTのことをきちんと理解して、伝える言葉を変えるだけで患者さんのモチベーションは大きく変わります。
たとえば患者さんに色々な改善点を一度に伝えたとしても、患者さんはすべてのポイントをきちんと持ち帰ることはできません。そのような場合、まずはワンポイントだけに絞るというのが有効な手段です。
はい。
わかりました(寝る前だけなら簡単だし、やってみようかな)
(次回)
本当ですか?うがいだけだったので、とても簡単でなんとか続けられたんです。
歯と歯の間ですね、わかりました。
この例のように、
・1回の指導ではポイントを絞って伝える
・患者さんを褒める
この2点を意識し始めてから患者さんとの距離が縮まり、今まで以上に会話が増えました。
患者さんのブラッシング・歯周病に対する理解度もグンと上がり、定期的にきちんと通院もしてくれるようになったのは言うまでもありません。
来る度に毎回『お手入れ頑張っていらっしゃいますね!』とお声がけしています。どんどん笑顔になっていく患者さんを見ていると、こちらまで嬉しくなりますよね♪
まとめ
SPT期の患者さんのセルフケアに対するモチベーションを高める工夫として、
・1回の指導ではポイントを絞って伝える
・患者さんを褒める
というトーク術をお伝えしました。
患者さんにセルフケアの重要性を伝えるには、今回紹介した例以外にも質問をすることで患者さん自身に気づいてもらうなど様々なアプローチがあります。 今回の例は、あくまで一つの方法として考えてみてください。
トーク術も大切ですが、歯周病のセルフケアをしっかり・正しく行ってもらうためには、まずは歯科衛生士自身が次の2つのポイントを押さえておくことが非常に大切です。
1.歯科衛生士がSPTのことをしっかり理解すること
2.セルフケア時にはSPTに合った製品を選択・オススメすること
SPTの基本については今後も記事にしていくので、ぜひ関連する記事も読んでみてくださいね。