必ず知っておきたい、夜寝る前にできる効果的な口腔ケア

必ず知っておきたい、夜寝る前にできる効果的な口腔ケア

歯科衛生士さんであればご存じのことだと思いますが、寝ている間は「う蝕」「歯周病」のリスクが高まります。
そのため、夜寝る前に患者さんのリスクに応じたう蝕・歯周病を予防する対策を取ることがとても大切です。

寝る前のセルフケアとしておすすめなのが洗口液です。洗口液を活用することで、寝る前に効果的なう蝕・歯周病予防が可能になります。

今日は、『必ず知っておきたい、夜寝る前にできる効果的な口腔ケア』についてお伝えします。

 

う蝕リスクの高い患者さんには「フッ素配合の洗口液」がおすすめ

 

夜寝る前の対策の基本は「フッ素洗口液」を使うことです。特にう蝕リスクがハイリスクな方ほど洗口液は使った方が良いといえます。

フッ素洗口液の特徴は別の記事でもお伝えしていますが、

①口に入る1回分のフッ素量が、フッ素洗口剤の方が歯磨剤より多い。
②フッ素洗口剤は、洗口した後の水のすすぎがないので、フッ素が口腔内に残りやすい。
③液体なので口腔内全体にフッ素が拡がりやすく、粘膜などにフッ素が残りやすい。

といった特徴があります。

毎日寝る前に使用することで、う蝕予防の習慣にもなります。

 

歯周病のリスクが高い患者さんには「歯周病ケア用洗口液」を!

う蝕よりも歯周病のリスクが高い患者さんの場合、フッ素洗口液よりもおすすめなのが「歯周病ケア用洗口液」です。

歯周病ケア用の洗口液の特徴は、IPMP(イソプロピルメチルフェノール)やCPC(塩化セチルピリジニウム)、CHX(クロルヘキシジン)といった『殺菌剤』や、『抗炎症成分』が入っていることです。

特にIPMPはバイオフィルムに効果的な殺菌剤で、寝ている間にバイオフィルムが成長するのを防ぎ、歯周病のリスクを少なくします。

 

まとめ

う蝕・歯周病のリスクが高まる就寝中。そのケアには、就寝前の洗口液の使用がおすすめです。

洗口液にはう蝕予防のフッ素配合のものと、歯周病予防の殺菌剤配合の製品がありますが、患者さんのリスクに応じて、フッ素洗口液と歯周病用洗口液のどちらを使えば良いかを指導するようにしましょう。

う蝕・歯周病対策については下記の記事も参考にしてみてください。

【保存版】フッ素洗口液の効果的な使い方と患者さんへのすすめ方

歯周病ケアには欠かせない殺菌剤の違い

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