すぐに使える!実際に医院で使われている口腔湿潤スプレーの活用法

すぐに使える!実際に医院で使われている口腔湿潤スプレーの活用法

「口の中が乾いて唇が荒れる」
「詰めた薬から変な味と匂いがする」
「血の味がする」
「何度うがいをしても不快感が消えない」

治療中や治療後にこんな感想を持つ患者さんは多いと思います。

湿潤剤にはジェルタイプ・液体タイプ・スプレータイプなどがありますが、スプレータイプは口腔内の保湿だけではなく、
薬品の嫌な味を軽減する使い方もできます。

今日は、『実際に医院で使われている口腔湿潤スプレーの活用法』をご紹介します。

 

ドライマウスの患者さんは増えている

ドライマウスで悩む患者さんは全国に約800万人いるといわれています。

さらに、潜在的なドライマウス予備軍まで含めると3,000万人になるともいわれ、
実に日本人の4人に1人がドライマウスということになります。

ドライマウスの原因には、

・薬の副作用(降圧剤、利尿剤、抗けいれん薬、抗うつ薬など)
・加齢
・生活習慣(喫煙など)
・エアコン
・食生活
・更年期障害
・ストレス

などのさまざまな原因があります。

口腔内の唾液が減ることで、う蝕や歯周病を始めとしたさまざまな口腔トラブルを引き起こします。

 

ドライマウスを見分ける“サイン”とは?

ドライマウスになると、患者さんには次のような変化が起きやすくなります。

・口唇の乾燥や亀裂・口角炎
・根面う蝕(歯肉表面の乾燥による)
・舌苔がたまり口臭が悪化
・義歯装着時の痛み
・舌のひび割れ・痛み
・歯周病の悪化

これらのサインを見つけた場合、何が原因なのかを探る必要があります。

問診を行って持病がないか、口腔乾燥を起こしやすい薬を飲んでいないか、
エアコンを長時間使用していないかなど、まずは原因を特定することがドライマウス対処の第一歩です。

 

ドライマウスにはどう対処すれば良い?

ドライマウスの予防やケアの際は、原因となっている生活習慣の改善が必須ですが、
手軽な方法としてはドライマウス用の口腔湿潤剤を使う方法があります。

セルフケアで使用するのは当然ですが、今回はセルフケア以外でも簡単に使えるチェアーサイドでの使用方法をまとめてみました。

 

【チェアーサイドでの口腔湿潤スプレー活用法】

1.口唇・口角の乾燥や亀裂に対して診療前に保湿する
ワセリンを使う場合もありますが、ワセリンが苦手な患者さんの場合は口腔湿潤スプレーを使うとベタつかずに保湿することができます。また、器具・器材もベタつかず、施術にも支障をきたしません。

2.治療中の歯肉・粘膜・舌への刺激緩和
支台歯形成時や冠除去時の削りカスや金属の粉は不快感の原因となります。
しかし、事前にスプレーしておくことで口腔内乾燥を防ぎ、不快感も軽減することが可能です。

3.出血の後味、麻酔やセメントなどの不快感の緩和
出血の際にうがいをしすぎてしまうと血液凝固の妨げになります。
そのような場合、スプレーを使うことでフレーバーが血の味を緩和してくれます。
ロールワッテにスプレーをして湿らせたものを使うことで、表面麻酔やセメントの苦みや酸味の不快感も緩和することが可能です。
※但し、修復・補綴物の合着・CR等の充填操作時の防湿には使用しないでください。

4.義歯装着時の痛みの緩和
唾液が不足すると義歯の装着時に摩擦が起き、痛みを感じることがあります。
そのような場合、義歯粘膜面にスプレーすることで装着時の痛みが緩和されます。
患者さんには疼痛の原因が義歯ではなく、粘膜乾燥の可能性があることや保湿が重要なことを伝えます。

 

まとめ

潜在的な患者さんも含めると日本人の4人に1人がドライマウスであると考えられます。

口腔内が乾燥するとう蝕や歯周病の原因になる上、口臭や義歯の痛みにも至ります。

口腔湿潤スプレーを使うと口腔内の乾燥対策はもちろん、他にも薬品の味を軽減するなど、さまざまな不快症状を緩和することが可能です。

どれもスプレーが1本あればお手軽にできる対策なので、ぜひ一度試してみてください。

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