【保存版】患者さんのレベルに合わせたTBIとは?
「患者さんにきっちり指導をしているはずなのになかなか実践してもらえない」
新人だった頃の私は「この患者さんもか・・・」とよく落ち込んでいました。
そんな時に先輩から教わったのが『患者さんのレベルに合わせたTBIの方法』でした。
今日は大きく3つのステップに分けたTBIの方法をご紹介します。
ステップ1:ブラッシングが苦手な患者さん向け
ブラッシングが苦手な患者さんには幅広ヘッドの歯ブラシがおすすめ!
幅広ヘッドの歯ブラシを活用すれば、ブラッシングが苦手な患者さんでも効果的にブラッシングができます。
最初のうちはまだまだ磨き残しもあると思いますが、「ここが磨けていませんね」というのではなく、よくできているところを褒めるのがポイントです。
最初から磨けていないことを指摘してしまうと患者さんのモチベーションが下がる場合も多く、逆効果になってしまいます。
また、一度に多くを伝えすぎると患者さんがうんざりしてしまうので、「さっぱりした」という感覚を患者さんに持ってもらうことを最初の指導のゴールにする歯科衛生士さんもいらっしゃいます。
その後は、患者さん自身がブラッシングの意味を理解し、やる気が出るまでじっと待ちます。
医院に来る時だけ磨いてくる「来る時磨き」をする患者さんもいらっしゃいますが、そこに気づいても怒らないのもポイントです。
ステップ2:ブラッシングができるようになってきた方向け
ブラッシングができるようになってきたら幅広ヘッドの歯ブラシは卒業し、中型ヘッドの歯ブラシを使ってブラッシングを行ってもらうようにします。
そして、改めて患者さんのブラッシングスキル・興味の度合いを確認します。
・プラークコントロールがどの程度できているか?
・ブラッシングはどのくらいの頻度・時間で行っているか?
・ブラッシングのやり方に関して「もっと知りたい」という意欲が出てきたかどうか?
上記のようなポイントを確認し、初めてブラッシング圧や毛先の当て方などの指導をします。
ここでもやはり一度に伝えすぎないことがポイントです。定期的にメインテナンスをすることの重要性を説明し、1回で終わるわけではないことをお伝えしましょう。
先輩からは、『一度にすべてを伝えなくても、定期的に来院していただくなかで少しずつ伝えれば大丈夫だよ』と言われたのを今でも思い出します。
ステップ3:ブラッシングが上達してきた方向け
さらにブラッシングが上達してきたら超薄型小型ヘッドの歯ブラシを活用していただくと、より細かなケアができるようになります。
ブラッシングが上達してきたといっても、ここで終わりではありません。
定期的にメインテナンスに来ていただき、セルフケアとプロケアの両方で健康な歯の状態を生涯にわたって維持していただけると、歯科衛生士さんとしてはとても嬉しいのではないでしょうか。
まとめ
TBIについては悩んでいる歯科衛生士さんも多くいらっしゃいますが、伝え方次第でTBIの結果は変わります。
ポイントは、「一度に伝えすぎないこと」「できていない部分を指摘するのではなく、できている部分を褒めること」です。
ブラッシングが苦手な患者さんも伝え方を工夫すればブラッシングスキルは上達します。ぜひ、今日の記事を参考に患者さんへの伝え方を工夫してみてくださいね!
参考資料:ブラッシングスキルに合わせたTBIの道のり 歯科衛生士 沢口由美子先生