チーム一丸となって患者さんに向き合おう【予防歯科実践セミナー（講師：柏井伸子先生）】

2017年8月24日、千葉県・幕張にあるクロス・ウェーブ幕張にて『明日から使える！歯科衛生士さんのための予防歯科実践セミナー』を開催いたしました。今回は柏井伸子先生をお招きし、『セルフケア＆プロケアで考えよう　～天然歯とインプラントの継続的メインテナンス方法～』をテーマにインプラントのメインテナンスについてお話しいただきました。またペアになり実習も行い、インプラントのメインテナンス時に気をつけたいポイントを教えていただきました。

院内での情報共有も、治療において重要なこと

患者さんと接するときは、口腔内以外にも患者さんが抱える病気や服用している薬の種類、また患者さんの生活習慣を考えていかなければなりません。そのためには患者さんと向き合い、コミュニケーションを取っていくことが必要です。

それと同時に、同じ患者さんを担当しているドクターや歯科衛生士さん、歯科技工士さん、そして受付スタッフの方を含めた医院のチーム全体でコミュニケーションをとることが必要だそうです。皆それぞれ患者さんに関する情報をもっています。より深く患者さんのことを把握するために、院内で定期的にミーティングを行い患者さんに関する情報を定期的に共有し、チーム一丸となって患者さんに向き合うことがとても大切です。皆さんもぜひ院内での情報共有を積極的に行いましょう。

自由診療であるからこそ、患者さんにインプラントの欠点をしっかり伝えよう

インプラントには、患者さんの歯の『機能性』『審美性』『社会性』の3つの復活ができるという利点がありますが、もちろん欠点もあります。

まずインプラントを行うためには、歯肉を切開するなどの外科的処置が必要です。また自由診療に該当するため、治療費が高額で金銭的な負担も大きくなります。高額な費用がかかるため、訴訟問題にもつながりかねません。トラブルが起こらないためにも、患者さんには術前にしっかりとインプラントの欠点を理解していただくことが大切です。せっかく入れたインプラントがダメになってしまわないように、定期的に来院していただきメインテナンスを行っていただく約束を患者さんとしましょう。

長く同じ患者さんを担当していると、患者さんの生活環境が変わることもあります。柏井先生は、担当されている患者さんが退職されたため、患者さんの金銭面を考慮してメインテナンスの回数を年に4回から3回に変更されたそうです。高額な費用がかかるインプラントだからこそ、患者さんの生活環境を理解して、患者さんに合わせてメインテナンスを行うことが大切なんですね。