天然歯・インプラントを長期間維持するには、“リスクに合わせたセルフケア”がポイント【予防歯科実践セミナー(講師:柏井伸子先生)】
2017年11月9日、東京・両国にあるKFC Hall & Roomsにて『明日から使える!歯科衛生士さんのための予防歯科実践セミナー』を開催いたしました。東北大学大学院にて研究をされている柏井伸子先生をお招きし、『天然歯とインプラントの長期安定を目指して ~リスクに即したセルフケアのセレクト方法~』をテーマにお話しいただきました。今回は仙台会場と中継をつなぎ、両会場で実習や質疑応答などを共有することができ、より活気のあるセミナーとなりました。
口腔内疾患のリスクとなる状況を理解しよう
近年は高齢化が進み、患者さんの年齢もどんどん上がりつつあります。患者さんが高齢であるほど、糖尿病などの全身疾患をお持ちの方が増え、服用薬も多くなる傾向にあります。実は、全身疾患や服用薬の種類によって口腔内疾患を引き起こすものがあります。つまり高齢であればあるほど、口腔内疾患のリスクは増えていきます。
患者さんに合わせたセルフケアを考えていく際は、まずどのような疾患・服用薬がリスク因子となっているのかを知っておく必要があるのだそうです。
たとえば、口腔内疾患のリスクとなるものとして、以下のようなものがあります。
・病気・・・糖尿病などの全身疾患
・服用薬・・・骨粗しょう症薬、糖尿病薬、ステロイド薬の長期間服用、抗がん剤など
・その他・・・インプラントの既往、話す機会の減少、歯ぎしりなど
しかし、ほとんどの患者さんはご自身の病気が口腔内疾患を悪化させる恐れのあることを知りません。だからこそ、歯科衛生士さんは患者さんにそのリスクがないかを一つひとつヒアリングしていくことが大事なのですね。
また、インプラントの施術を行うとその周りは炎症が起きやすくなったり、口腔内が細菌に感染しやすくなったりするそうです。そうならないためにも、メインテナンスをしっかり行い続けることが大切なのですね。
インプラント埋入後に糖尿病が悪化してきた場合、ロストを防ぐことは可能ですか?
質疑応答の時間では、ある参加者の方から「インプラント埋入後に糖尿病が悪化してきた場合、ロストを防ぐことは可能でしょうか?」という質問があり、それに対して柏井先生は事例をあげながら回答してくださいました。
歯周治療を始めると糖尿病が良くなるといわれるように、歯周病と糖尿病は深く関係しています。ハイリスクの患者さんであることを踏まえて、通常よりもメインテナンスの間隔を短くするなどの対策が必要になるようです。
また、柏井先生が現場で実施されているメインテナンス方法などを具体的に解説していただきました。参加者の皆さんは熱心にメモを取ったり、大きくうなずいたりして聞き入っていました。ご経験から話される内容には、どれも実臨床にすぐに役立つ情報が多く、参加者の皆さんにとっても実りの多い時間となったのではないでしょうか。
『学校や臨床だけでは学ぶことができない、すぐに使える内容でした』
ご参加になった皆さんから感想をいただきましたのでいくつかご紹介します。
「インプラントを埋入された患者さんへのメインテナンス時に教えを取り入れたい」
「一つのテーマに絞った内容なので、集中してセミナーを受けられてよかった」
「また参加したい。他の歯科衛生士さんにも紹介したい」
「他院で働く方と話ができて、同じことで悩んでいるのだとわかり助かった」
この他にもたくさんのご好評の声をいただきました。セミナーにご参加いただき、ありがとうございました。
『明日から使える!歯科衛生士さんのための予防歯科実践セミナー』は、今後も定期的に開催していきます。ぜひ、皆さまのご参加をお待ちしております。
★ご案内★
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