【保存版】今さら聞けない口内炎の種類とその原因、対策法まとめ

【保存版】今さら聞けない口内炎の種類とその原因、対策法まとめ

みなさんは口内炎ができている患者さんにはどのように対応していますか?

口内炎はその原因がさまざまなため、原因を特定することは非常に難しいことが現状です。歯科医院ではレーザー治療や、薬を処方するなどが主流です。

今日は、『口内炎の種類とその原因、対策法』についてまとめます。

 

そもそも口内炎ができる原因とは?

口内炎は口腔内や周辺粘膜に起こる炎症のことを総称して言います。歯茎にできれば歯肉炎、唇なら口唇炎、口角なら口角炎と呼ばれるのはご存じのとおりです。

口内炎ができる原因を種類別にまとめると、次のようになります。

 

・アフタ性口内炎

一番多く見られるのがアフタ性口内炎です。ビタミン不足(特にビタミンB2)、栄養バランスの乱れ、睡眠不足、ストレス、疲れなどが原因だといわれています。痛みがあり、食べ物がしみるのが特徴です。

患部が広かったり、再発する場合は、他の病気や薬の影響が考えられます。そのような場合は、いつもかかっている医療機関の受診をおすすめします。

予防には、口腔内を常に清潔にしておくことが大切です。柔らかい毛先の歯ブラシを使い、力を入れすぎず丁寧なブラッシングを指導すると良いでしょう。

 

・カタル性口内炎

熱いものや薬品による刺激、入れ歯や矯正器具の接触などの物理的刺激が主な原因です。その他、う蝕や歯周病も原因となることがあります。

赤く腫れ、刺激物でヒリヒリとした痛みを伴います。口臭が気になるのもカタル性口内炎の特徴です。

予防するには刺激物の摂取を控え、物理的な刺激を減らすことが第一です。う蝕や歯周病がある場合は、その治療を行います。

 

・ウイルス性口内炎(ヘルペス性口内炎・カンジダ性口内炎)

ウイルスに起因する口内炎は主に2種類あります。

 

・ヘルペス性口内炎

小さな水疱ができて発熱や強い痛みを伴います。原因は単純ヘルペスウイルスの感染です。主に3歳くらいまでの乳幼児に発症しやすいのが特徴です。

一度感染するとウイルスは体内に残り続けるため、大人になって免疫力が低下した場合に再発することがあります。

感染した際には、家族などにうつらないようにタオルや食器を使い分けるといった基本的な対策になります。治療は抗生物質による治療が一般的です。

予防としては日頃から身の回りを清潔に保ち、人の唾液に触れないなどの基本的な注意をすることが必要です。

 

・カンジダ性口内炎

カビの一種であるカンジダが増殖して発症する口内炎で痛みはあまりなく、白い苔のようなものが付着するのが特徴です。ただし、カンジダ性口内炎にも種類があり、炎症を起こして痛みを伴うものもあります。

カンジダ菌はもとから口腔内の常在菌ですが、糖尿病などの疾患を持っている方、乳幼児、高齢者、妊婦など免疫力が弱くなっている方に発症することがあります。薬を服用している影響で発症する場合もあるので注意が必要です。

カンジダ性口内炎の場合、口腔内の乾燥が原因の一つとして挙げられます。唾液には口腔粘膜の保護や抗菌の働きがあるため、唾液の分泌が減って口腔内が乾燥すると菌が繁殖しやすく、口内炎になりやすくなります。特に加齢により口腔内が乾燥しがちですが、そのような方には口腔湿潤スプレーを使っていただいて乾燥を防ぐのが一つの予防法になります。

 

・ニコチン性口内炎

タバコが原因となって起こります。痛みがさほどないため自覚症状はあまりなく、時々食べ物などがしみることがあります。

 

口内炎の治療方法は?

歯科医院で治療を行う場合には、レーザー照射や薬を処方するのが一般的な治療です。意外と盲点なのが、院内で使用する医薬品で、歯槽膿漏薬として使用しているものの中に口内炎に効果を発揮するものもあります。具体的に製品を見分けるポイントは、以下の4成分が含まれているかどうかです。

殺菌成分:塩化セチルピリジニウム

組織収斂成分:ヒノキチオール

抗炎症成分:グリチルリチン酸二カリウム

組織修復成分:アラントイン

この4種類を含む製品であれば、口内炎の治療に効果が見られる場合がありますので、チェアーサイドで処置の一環として活用ができます。一度、製品の成分を確認してみるのもいいかもしれませんね。

 

まとめ

口内炎の原因はいろいろとありますが、一番多いアフタ性口内炎は睡眠不足や免疫力の低下などさまざまな原因が考えられます。また、う蝕や歯周病・義歯の接触なども口内炎の発祥となることは覚えておくべきポイントです。

長期化する場合は他の病気・薬の影響が考えられるので、担当している診療科の先生にご相談いただくのも良いでしょう。

製品名に頼らず、いろいろな成分を確認して、どのような効果があるのかが理解できると、患者さんへの処方の幅も広がりますね。ぜひ、参考になさってください。

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