歯科医院で気をつけたい冬の感染予防対策
風邪やインフルエンザが少しずつ流行する季節になってきました。
風邪やインフルエンザなどは空気感染や飛沫感染する病気の代表例です。歯科医院は患者さんとの距離が特に近いからこそ、院内感染予防はとても大切です。
今日は、『冬の感染予防対策』についてお伝えします。
簡単にできる3つの感染予防対策
感染予防の方法にはさまざまな方法がありますが、ここでは簡単に取り入れられる方法を3つご紹介します。
1.患者さんに手洗い・うがいをしてもらう
感染症対策の基本は手洗い・うがいです。患者さんに手洗い・うがいをしていただくのが最も簡単な対策法です。
手洗いには、殺菌剤配合の薬用ソープを使うとより効果的です。
うがいの場合、浮遊菌に対して殺菌効果が高いCPC(塩化セチルピリジニウム)が含まれている洗口液を使っていただく方法もあります。
2.アルコール消毒剤・空気清浄機を設置する
医院の入り口などにアルコール消毒剤を設置するのも効果的です。手洗い・うがいの後にアルコール消毒をするとさらに効果は高くなります。
また、空気感染対策として加湿機能付き空気清浄機を導入している医院もあります。
3.手袋・マスクなどで防護する
手袋やマスクなどの個人防護具を正しく着用することは感染の予防に繋がります。
歯科医療における感染管理のためのCDCによると、以下の内容が推奨されています。
冬場は治療前に唇の乾燥ケアをすることも大切です
冬場は空気が乾燥しているため、唇も乾燥しやすくなっています。
患者さんの唇が乾燥したまま治療を開始しようとすると、口を大きく開けたときに唇が切れてしまうことがあります。
そんな時に、赤ちゃんにも使われるほど安全性の高いワセリンを治療前に塗ると効果的です。
ただし、ワセリンは乾燥対策の定番となるほどに保湿能が高い一方、かなりベタベタするので使用感が苦手な人は注意をしてください。
私も先日知ったのですが、メーカーから歯科医院専売品として発売されている口の乾燥対策マウススプレーを有効に活用している医院もあります。
マウススプレーを使った乾燥対策がベタつかずお手軽です
メーカーから口腔内の乾燥対策マウススプレーが発売されていますが、唇の保湿用にも活用している医院があったので、使い方を簡単にご紹介します。
乾燥対策マウススプレーはしっとりしているのが特徴な上、ノンアルコールで爽やかな香りがついているものもあります。
ノズルタイプになっているものはそのままでは唇には使いにくいので、綿球やロールワッテに2~3プッシュしてから患者さんに使います。
唇がしっとりするのにベタつかず、良い香りもするので患者さんには喜ばれているようです。
ロールワッテに吸わせたものは唇の乾燥対策の他にも、麻酔時の不快症状を緩和したり、セメントの味を緩和したりとさまざまな用途に使えます。
興味のある方は、ぜひメーカーの担当者さんに聞いてみてください。
まとめ
冬になると風邪やインフルエンザなどの感染症が増えるため、院内感染を起こさないためにも感染予防対策は必須です。
手洗い・うがいもちろんのこと、アルコール消毒や空気清浄機などの利用・防護具の利用の徹底を行って予防に努めましょう。
冬場は患者さんの口腔内や唇も乾燥しているので、治療前に唇にワセリンや乾燥対策用のマウススプレーを使うと喜ばれます。
すぐにできて患者さんにもとても喜ばれるので、ぜひ試してみてくださいね。