【保存版】年齢別う蝕のセルフケアガイド ~3歳から小学生まで~
口腔状態がめまぐるしく変化する3歳から小学生までは、乳歯や生えたての永久歯のう蝕リスクが高くなっています。
歯質・歯並びへの影響や生涯を通した口腔ケアの習慣を身につける観点から、積極的なう蝕の予防が必要となります。
今回は年齢別う蝕のセルフケアガイドの「3歳から小学生まで」についてお伝えします。
3歳がフッ素によるう蝕予防セルフケアを始めるのに最適な3つの理由とは?
1.歯ブラシに歯磨剤をつけて磨くセルフケアを始められる
平均的には、2歳で「くちゅくちゅぺっ」、4歳で「30秒ブクブク」ができるようになります。
3歳はちょうどその中間です。歯磨剤を全部飲み込んでしまう心配がなくなるので、
フッ素配合歯磨剤を使ったセルフケアを始めるには最適の時期です。
仕上げ磨きも「寝かせ磨き」から「立たせ磨き」へ変えていくことで、自分で磨くのと同じ磨き方が学べます。
2.次第に保護者の手を離れていく
3歳という年齢は次第に保護者の手を離れていく年齢でもあります。幼稚園に行く、近所の友達と遊ぶ、友達からお菓子をもらう、
冷蔵庫の中にお菓子があることが理解できる時期です。
3.口腔内にも大きな変化がある
この時期には全ての乳歯が生えそろうため、う蝕のリスクが高まります。
また、5歳頃には子どもにとって最もう蝕リスクの高い第一大臼歯が生えてくるなど、口腔内にも大きな変化があります。
以上の理由から3歳がフッ素配合歯磨剤を使ったう蝕予防を始めるのに最適な時期といえます。
小さいうちからう蝕予防に取り組むことで、将来的にう蝕の発生率が下げられることは言うまでもありません。
「ブクブクうがい、できる?」
最近「ブクブク」ができない子どもが増えているようです。
小児から小学生の患者さんには「ブクブクうがい、できる?」と聞くのも良いかもしれません。
もし、ブクブクうがいができないという場合は、まずは空気でほっぺを膨らませる練習をして、その後、水に移行するという指導をしている歯科衛生士さんもいらっしゃいます。
そうすると、ブクブクの練習を子どもたちは楽しんでやってくれるようになるそうです。
子どもだけではなくて、付き添いの保護者の方にもしっかり話を聞いてもらうことが大切です。
就寝前にフッ素洗口液を使うのが理想的
セルフケアでは、口腔内のフッ素濃度をどれだけ維持できるかがポイントです。
特に、う蝕リスクが高くなる就寝中にフッ素濃度を維持するのが鍵です。
おすすめの方法としては、夕食後にフッ素配合歯磨剤で歯を磨いた後、就寝前にフッ素洗口液を使う方法です。
フッ素洗口液の特徴としては、
①口に入る1回分のフッ素量は、フッ素洗口液の方が歯磨剤より多い。
②フッ素洗口液は、洗口した後の水のすすぎがないので、フッ素が口腔内に残りやすい。
③液体なので口腔内に全体にフッ素が拡がりやすく、粘膜などにフッ素が残りやすい。
といった特徴があります。
口腔内にフッ素が残りやすいので、寝ている間も歯をしっかり保護してくれます。
まとめ
口腔状態が大きく変化する3歳から小学生までの時期は、歯質・歯並びへの影響、生涯を通した口腔ケアの習慣作りの観点から積極的な予防が必要です。
そのために毎食後の歯磨きの習慣を身につけるのはもちろんのこと、就寝前のフッ素洗口の習慣をこの時期につくることも大切です。
また、ブクブクうがいができない子どもが増えてきているようなので、ブクブクうがいの習慣はぜひ身につけてもらいたいポイントです。
もし、そのようなお子さんがいたら「まずは空気でほっぺを膨らませる」方法を参考にしてみてくださいね!