1日数分で口腔内環境が改善する口腔粘膜ケアのイロハ
いつまでも健康で快適な口腔内環境を維持したい。
そのためには、歯のケアをするということはもちろんのこと、口腔粘膜のケアをすることも大切なポイントです。特に高齢の方は歯周病やドライマウスなどの症状があったり、義歯を装着している場合も多くあります。そういった方には通常のブラッシング指導だけではなく、粘膜ケアの指導もぜひしていただきたいと思います。なぜ口腔粘膜ケアが必要なのか、今日は、『1日数分で口腔内環境が改善する口腔粘膜ケアのイロハ』についてお伝えします。
口腔粘膜ケアはこんな患者さんにおすすめです
・口腔内が乾燥する方
・舌苔や口臭が気になる方
・義歯を使っている方
・口腔機能が低下した方
・口内炎ができやすい方
口腔内の乾燥を自覚している人は成人では約1/3、高齢者では半数以上になるといわれています。
義歯を使っている方であれば、義歯に覆われている粘膜部位では自浄作用が働きにくく、粘膜トラブルの原因となります。また、口腔内の乾燥は義歯装着時の痛みにも繋がるため、口腔内の潤いは欠かせません。
口腔粘膜ケアといっても難しいものではなく、1日数分の口腔粘膜マッサージを行うだけで口腔内の潤い改善が可能です。
また、特に口腔内の乾燥が気になる場合は、口腔湿潤スプレーを活用するのも一つの手です。
▼すぐに使える!実際に医院で使われている口腔湿潤スプレーの活用法
方法は口腔粘膜全体をやさしくマッサージするだけ
口腔粘膜ケアの方法はとても簡単です。
幅広ヘッド・柔らかい毛先の歯ブラシを軽く水で湿らせ、力を入れずに口腔粘膜全体をやさしくマッサージします。この時、力の入れ過ぎや多くやり過ぎるのは禁物です。
1日1回、各部位5~10回を目安にマッサージをします。2~3ヶ月継続することで口腔内の乾燥・粘つきが、かなりの割合で改善した例もあります。
使用する歯ブラシは前述に加え、心地よい使用感が得られるしなりがある毛丈や密毛、安定感のある幅広いハンドルといった特徴があるとさらに快適なマッサージが可能です。
口腔機能の低下が気になる患者さんには「口腔ストレッチ」もおすすめ
口腔機能が低下して食事のときにむせる、頬や舌を噛むことが増えた、硬いものが食べられなくなった、口元が緩んできたという方にはマッサージの他に口腔ストレッチも行うことをおすすめします。
舌のストレッチは左右・前後の2方向を行います。左右方向は舌を中央から外側に伸ばすようにブラッシングします。前後方向は舌を奥から手前に引き出すようにブラッシングします。
また、左右・前後方向共に赤矢印の方向に歯ブラシの背面を軽く押し当て、青矢印の方向に舌で押し返すことも指導しましょう。
頬のストレッチは歯ブラシの背面を上手く使い、頬を内側から伸ばすように歯ブラシを上下にゆっくり動かします。
この時も力の入れ過ぎには注意が必要です。やさしく丁寧にストレッチをするように患者さんには指導しましょう。
まとめ
1日数分の口腔粘膜マッサージで口腔内の潤いは改善します。
ご存じのように、口腔内の乾燥はさまざまな悪影響に繋がるので、口腔粘膜ケアを行いさらなる口腔内環境の向上を図りましょう。
ドライマウスに関してはこちらの記事でまとめていますので、お時間のあるときにぜひご覧になってくださいね。