ホワイトニング後の患者さんへの指導について
「ホワイトニング後に歯がしみる」
このように患者さんに相談されたことがある歯科衛生士さんもいらっしゃるかもしれません。
今回は『ホワイトニングの基礎とホワイトニング後への患者さんの指導』についてお伝えいたします。
ホワイトニングで歯がしみることがあるのはなぜ?
ご存じのように、歯の表面にお茶やコーヒーに含まれるタンニンやたばこのヤニが付着することでステインとなります。
セルフケアでのホワイトニングとは、ステインを歯磨剤に配合される研磨剤などで落とすことで、クリーニングをすることです。一方、プロケアのホワイトニングでは過酸化水素などの薬剤が使われます。過酸化水素には漂白作用があり、その効果で着色成分を分解して歯を白くします。
ホワイトニング後に一時的に知覚過敏になることがありますが、これはホワイトニングの影響で象牙細管から歯髄側への刺激が伝わりやすくなる場合もあるためと考えられます。
知覚過敏が起こるメカニズムとしては、象牙細管に
・温度刺激:冷たいもの、熱いもの
・機械刺激:ブラッシングなど
・化学刺激:甘いもの、酸っぱいもの
といった刺激が加わることで神経が刺激され、「しみる」「痛い」といった知覚過敏の症状が発生します。
しみる場合に患者さんが手軽にできる3つの対策
1.知覚過敏を防ぐ歯磨剤を使う
しみる痛みの伝達をブロックする硝酸カリウム、象牙細管の開口部を封鎖する乳酸アルミニウム配合の知覚過敏用歯磨剤がおすすめです。
2.やわらかい歯ブラシを使う
先端極細毛などを採用した歯肉に優しい歯ブラシを使うのがおすすめです。
3.刺激を与える飲食物を控える
ホワイトニング直後には着色しやすい色の濃い食品や、知覚過敏の原因となりやすい酸性の食品(炭酸・柑橘系など)は避けた方が無難です。
まとめ
ホワイトニング後に一時的に知覚過敏になることがありますが、患者さん自身の対策である程度対処することが可能です。
また、歯の美しさを維持するために、ステインを浮かせて落とすピロリン酸ナトリウムを配合した歯磨剤をセルフケアで使うのも良いかもしれません。
患者さんの状況に応じて歯磨剤や歯ブラシをおすすめしてみるのが良いのではないでしょうか。