フッ化物の配合量上限が1000 ppmから1500 ppmへ変わります
う蝕予防に欠かせないフッ化物。
今までは歯磨剤などに配合できる最大濃度が1000 ppmでしたが、1500 ppmまで配合できるようになりました。
今日は、2017年3月17日に厚生労働省より承認された、歯磨剤のフッ化物濃度に関する内容について簡単にご紹介します。
通知の内容とは?
1.使用上の注意として、以下の事項を直接の容器等に記載すること。ただし、十分な記載スペースがない場合には、(2)の記載を省略してもやむを得ないこと。
(1) 6歳未満の子供には使用を控える旨
(2) 6歳未満の子供の手の届かない所に保管する旨
2.また、フッ化物のフッ素としての配合濃度を直接の容器等に記載すること。ただし、1.の記載と別の記載箇所であっても差し支えないこと。
3.製造販売承認申請書の備考欄の使用上の注意については、「使用上の注意:平成 29 年3月 17 日付け薬生薬審発 0317 第1号、薬生安発 0317 第1号医薬品審査管理課長・安全対策課長連名通知による。」と簡略記載して差し支えないこと。なお、その他追加して記載すべき事項があれば記載すること。
引用:フッ化物を配合する薬用歯みがき類の使用上の注意について
(平成29年3月17日付け薬生薬審発0317第1号 薬生安発0317第1号通知)
また、関連して業界の自主基準が日本歯磨工業会から出されています。
基本的には前述の内容をより具体的に記載したような内容になっており、歯磨剤を製造するメーカーさん向けです。
しかし、1にあるように「6歳未満の子共」に関しては、歯科衛生士さんも注意が必要です。
【注意】6歳未満の子どもには使用を控える
今回発売されるフッ化物濃度が1500 ppmの歯磨剤ですが、1000 ppmを超える歯磨剤に関しては「6歳未満」の子どもには使用を控えることが推奨されています。
業界の自主基準で製品には以下のような記載がなされることになります。
表示例)「6歳未満の子供への使用を控える」「6歳未満の子供には使用を控える」
子供には子供用のフッ化物配合歯磨剤をおすすめしていれば特に問題はありません。
歯科衛生士さんは覚えておきたいですね。
まとめ
欧米では1000~1500 ppmのフッ化物濃度を有する歯磨剤が一般的なこともあり、今回1500 ppmの濃度が承認されたとのは一つの進歩かもしれません。
但し、厚生労働省から「6歳未満の子供には使用を控えること」と通知が出ていることは気をつけるべきポイントです。
各メーカーさんからはフッ化物濃度1500 ppmの歯磨剤が発売されていくようなので、注目してみてくださいね。