ケース別:リスク部位のTBIと使用ツールについて

ケース別:リスク部位のTBIと使用ツールについて

患者さんへブラッシング指導(TBI)を行う際は、歯並びや口腔状態に応じたケアをお伝えすることが重要です。歯並びの悪い方、年齢とともに歯の本数が減っていきがちな高齢者の方、叢生のお子さんには特に丁寧なケアが必要になってきます。

今日は『リスク部位のTBIとおすすめのツール』についてお伝えいたします。

 

歯間部のケアには、歯間ブラシ・デンタルフロスの併用がおすすめ

歯間が広い、叢生があるといった場合には、どうしても磨き残しが多くなりう蝕リスクが高まります。

そのような場合は通常の歯ブラシだけではなく、さらに細かいケアもできる「歯間清掃用具」を患者さんにおすすめすることが大切です。

参考:ライオン歯科衛生研究所「歯と歯の間のケア方法」

歯ブラシに加えて歯間ブラシを使ったケアを行うことで、プラークの除去率はかなり向上します。歯間のサイズによって、おすすめするブラシの大きさも選んであげると良いでしょう。

ぜひ、下記の記事も参考にしてみてください。

【保存版】歯間ブラシの「最適なサイズの選び方」と「患者さんへの指導法」

今さら聞けない「歯間ブラシ」と「フロス」の違い

 

幅広く対応できるワンタフトブラシもおすすめ

ブラシの先端が三角毛になっているワンタフトブラシは磨きにくい部位・さまざまな症例にも幅広く対応することができ、患者さんも簡単に使える製品です。

しかし、意外とご存じでない患者さんが多いものです。使い勝手が良いことをわかってもらえれば習慣化しやすくなるのかもしれません。

ワンタフトブラシは「歯間ブラシがうまく通らない部位」「補綴部位」「叢生部分」「子どもの大臼歯」におすすめです。ワンタフトブラシの効果的な使い方の詳細は下記をご覧ください。

患者さんは意外と知らない!セルフケアの幅を広げるワンタフトブラシ

 

患者さんによく聞かれる「使う順番はどうすればいいの?」という質問にはどう答える?

基本的には、歯ブラシ・歯間ブラシ・フロスという順です。しかし、最も大切なのはプラークが取れているかどうかです。

埼玉県の古畑歯科医院にお勤めの波多野映子先生がご自身の体験をもとに詳しくお話ししてくださっていますので、ぜひこちらの記事もご確認ください。

「患者さんから歯ブラシ・歯間ブラシ・フロスの使用順を聞かれることがあります。その場合、先生はどのように答えられますか?」

 

歯の状態別・磨き方ポイント

次に歯の状態別の磨き方ポイントについて見ていきましょう。

叢生
でこぼこしている・隙間があるような歯並びの場合は、気を付けてケアをしていても、磨き残しが出てきてしまいがちです。
プラークが溜まりやすい場所をワンタフトブラシでケアするだけでも磨き残しが減ります。歯並びが悪いと歯の裏側まで歯ブラシが届かないといった場合もありますので、ワンタフトブラシで時間をかけて1本1本丁寧に磨くよう患者さんに指導しましょう。
歯間には歯間ブラシ・フロスがおすすめです。

孤立歯
磨き残しが多くなりやすいので、先端極細毛歯ブラシなどを使い丁寧にケアしましょう。
ワンタフトブラシを使うと細かな汚れまで拾うことができるので、歯の全面がきれいになります。

親知らず(第三大臼歯)
一番磨きにくい部分でもある第三大臼歯はほかの歯と同様にワンタフトブラシを使ったセルフケアをおすすめします。歯間のプラークは歯間ブラシやフロスでしっかり除去することがポイントです。

 

まとめ

TBIにおいては、患者さんの歯並びに合わせて指導することが大切です。

歯並びが悪く、リスク部位がある状態なら、普通の歯ブラシを使うだけではなくワンタフトブラシや歯間ブラシ・フロスを使うことで、歯の隙間までしっかりとケアすることができます。

あまり使いなれないケア用品を使うときは、患者さんも力の加減がわからずにお口の中を傷つけてしまうこともあるので、定期的にブラッシングのやり方を確認するのがおすすめです。

また、歯ブラシだけでなくフッ素配合の歯磨剤や洗口液などのセルフケア製品も使う丁寧なケア方法も合わせて、患者さんにご提案してみてはいかがでしょうか。

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