【保存版】フッ素洗口液の効果的な使い方と患者さんへのすすめ方
先日「歯磨剤のペースト・ジェルの違い」についての記事を書きましたが、フッ素洗口液についての質問もよくいただきます。
『ジェルとフッ素洗口液はどっちを使えば良いのですか?』
『フッ素洗口液はどういう時に効果的なのかよく分からないんです』
『フッ素洗口液はどのように患者さんにすすめれば良いでしょうか?』
多くの歯科衛生士さんは「ジェルかフッ素洗口液のどちらか」という選択肢になりがちですが、症状によっては両方使ってもらったほうが良いケースもあります。
今日はいただいた質問をもとに、ジェルとフッ素洗口液の違いや、患者さんへのすすめ方についてお伝えします。
フッ素洗口液の特徴とは?
フッ素洗口液の特徴は、
①口に入る1回分のフッ素量は、フッ素洗口剤の方が歯磨剤より多いこと。
②フッ素洗口剤は、洗口した後の水のすすぎがないので、フッ素が口腔内に残りやすい。
③液体なので口腔内に全体にフッ素が拡がりやすく、粘膜などにフッ素が残りやすい。
などがあげられます。
就寝前にフッ素洗口をした場合、ジェルを使った場合より約10倍も翌朝のだ液中のフッ素濃度が高かったというデータもあります。そのため、う蝕リスクが高い患者さんの場合は、ジェルよりもフッ素洗口液を使用することでより効果的にう蝕予防が可能です。
ジェルとフッ素洗口液はどちらをオススメする?
フッ素洗口液はう蝕リスクが高い人に特にオススメで、ジェルはう蝕リスクが中程度の方にオススメです。
う蝕リスクの程度については『う蝕リスクの分類と予防手段選択のガイドライン(ADA,1995)』が参考になります。
一番大切なのは「患者さんに続けてもらうこと」
ジェルにしてもフッ素洗口液にしてもそうですが、一番大切なことは患者さんに製品を使い続けてもらうことです。
美容院に行った際のことを少し思い出してもらいたいのですが、髪のセット方法を美容師さんがお客さんに伝える時には、ブローが得意な人と苦手な人に対するアドバイスは違ったものになっているはずです。
う蝕リスク中程度の方にはジェルをオススメするのが一般的ですが、美容院の例と同じように製品のオススメの仕方に100%の正解はないと思っています。
患者さんの中には、ジェルを使うのを面倒と感じたり、フッ素洗口液のほうが手軽そうだなと思ったりする患者さんもいらっしゃいます。
そのような場合には、患者さんの「生活習慣」と「う蝕リスク」を意識してアドバイスするのがポイントです。
フッ素洗口液の使い方
習慣づけとして寝る前に使う
寝ている時は唾液の量も少なく、細菌が繁殖しやすい時間帯なので、う蝕のリスクが一番高い時間帯ですが、寝る前にフッ素洗口液を使うことが効果的です。
さらに、手軽なフッ素洗口液を、寝る前に使うことでう蝕予防の習慣づけができるというメリットもあります。
最近では、希釈せず、冷蔵庫保管も必要のないタイプのフッ素洗口液が各メーカーからでているので、洗面所に置いておけるということも習慣づけがしやすいひとつとなっています。
まとめ
今回の内容でフッ素洗口液の特徴は再確認できたでしょうか?
ジェルだけでもう蝕の予防効果は高まりますが、う蝕リスクが高い場合はフッ素洗口液を使うことでう蝕予防効果をさらに高めることが可能です。
特にう蝕リスクが高い場合には、ジェルではなく、フッ素洗口液を使ってもらうのも効果的です。
今までフッ素洗口液をどのような患者さんにすすめればいいのか迷っていたという方は、ぜひ今回の内容を参考に患者さんにオススメしてみてくださいね。